違反転用に対する処分



     農地を農業とは違う目的で使用したり、農地転用のために農地を売買する場合には、原則として農地転用許可を受けなくては
        なりません。また許可を受けた後に転用目的を変更する場合には、事業計画の変更等の手続きをしなくてはなりません。
     もし許可を受けないで無断で農地転用した場合や転用許可に係る事業計画通りに転用していない場合などは、農地法に違反
        することになり、許可の取り消しや工事の中止・原状回復等の命令がなされる場合があり、違反転用には懲役や罰金の適用も
        あります。






     農地法では第64条において、農地法違反者に対して罰則規定を設けています。罰則には行政罰と行政処分の2種類があり、
        二重で処罰される場合もあります。農地法では以下のような行為をした人を違反転用者として定めています。

     1.「農地の転用」若しくは「農地又は採草放牧地の転用のための権利移動」の規定に違反した者(その一般承継人も含む)
     2.違反転用に係る土地について工事その他の行為を請け負った者、またはその工事その他行為の下請人
     3.許可に付された条件に違反しているもの
     4.偽りその他不正の手段により許可を受けた物

     これらの違反転用者には、3年以下の懲役又は300万円以下(法人の場合は1億円以下)の罰金が科せられます。また「許可
        の取り消し処分」、「条件の変更」、「新たな条件の付与」、「工事の停止命令」、「原状回復命令」などの行政処分を受けることも
        あります。







     行政代執行とは、行政上の強制執行の一つで、義務者が義務を履行しない場合に、行政庁が代わりに行い、費用を義務者か
        ら徴収することです。農地法では、「農林水産大臣または都道府県知事は、土地の農業上の確保及び公益並びに関係人の利益
        を衡量して特に必要があると認める場合であって、次のいずれかに該当すると認めるときは、自らその原状回復等の措置の全
        部または一部を講ずることができる」(農地法第51条第3項)とあります。

     1.原状回復等の措置を講ずべきことを命ぜられた違反転用者が、当該命令に係る期限までに当該命令に係る措置を講じ
                ないとき、講じても十分でないとき、又は講ずる見込みがないとき。

     2.原状回復等の措置を命ずべき違反転用者等を確知することができないとき。(この場合、相当の期間を定めて、原状回
               復の措置を講ずるべき旨及びその期限までに原状回復の措置を講じないときは、農林水産大臣又は都道府県知事が
               自ら原状回復等の措置を講じ、その措置に要した費用を徴収する旨をあらかじめ公告してから行われます。)

     3.緊急に原状回復等の措置を講ずる必要がある場合において、原状回復等の措置を構ずべきことを命ずるいとまがない
                とき。


     農林水産大臣又は都道府県知事は、原状回復等の措置の全部又は一部を講じたときは、その要した費用について、違反転
           用者に負担させることができます。(農地法第51条第4項)






     農業委員会や都道府県からの度重なる勧告や指導に従わずに違法状態を継続すると、刑事訴訟法239条2項の規定により、
        刑事告発される可能性があります。
     違反したからといって直ちに告発されるわけでなく、農業委員会は都道府県知事と連絡調整を図りながら、通知→勧告→
        指導という法律にそった手続きで段階的に是正を求めてきます。ですので、告発されるほどの悪質なケースは稀です。


     農地転用の許可を受けるには多くの時間や手間が必要ですが、面倒だからといって許可を受けないままで農地に太陽光
        発電設備を設置することはできません。





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